愚痴の中から「本当は変えてほしいこと」を見つける方法|仕事の不満を整理する5つのステップ
「上司がむかつく」「もうやってられない」。
仕事の愚痴をこぼしたあと、「自分の心が狭いのかな」「こんなことで不満を持つのは甘えなのかな」と、自分を責めてしまうことはありませんか。
EXIT JOURNALが実施したストレス発散方法に関するアンケートでは、AIに上司役をしてもらい、本人には言えなかったことを話すという回答がありました。飲み込んだ言葉を、あとからでも口にしたい。その気持ちの背景には、「本当はこうしてほしかった」という思いが隠れているのかもしれません。
今回は、愚痴の中から「本当は変えてほしいこと」を見つけ、自分の次の行動につなげる方法を5つのステップで紹介します。
1.まずは、誰にも見せないつもりで本音を書く
最初にすることは、不満をきれいな言葉に直すことではありません。誰にも見せない前提で、言いたかったことをそのまま書き出してみましょう。
例えば、こんな愚痴です。
「また急に仕事を振られた。こっちの予定なんて、どうでもいいんだ」
「いつも自分ばかり仕事が多い。なんで私がやらなきゃいけないの?」
この段階では、言葉が乱暴でも、感情的でも構いません。無理に相手を理解しようとしたり、自分の気持ちを正当化できる理由を探したりする必要もありません。
大切なのは、自分が何に不満を感じているのか、最初から否定しないことです。
ただし、書き出した言葉には、実際に起きた出来事と、相手の意図についての推測が混ざっていることがあります。次のステップでは、その2つを分けていきます。
2.「何が起きたか」を具体的な出来事に戻す
次に、愚痴の中から、実際に起きたことを取り出します。
例えば、「また急に仕事を振られた。こっちの予定なんて、どうでもいいんだ」という不満なら、次のように整理できます。
- 本音・感情: こっちの予定も考えてほしい
- 事実: 17時に、今日中が締め切りの追加修正を頼まれた
- 相手についての推測: 自分の予定をどうでもいいと思っている
※ここからの事例は、手順を説明するための架空例です。
「自分の予定をどうでもいいと思っている」という部分は、相手に確認しない限り、本当のところは分かりません。一方、追加の仕事を頼まれた時間や締め切りは、具体的な出来事として整理できます。
相手の性格や意図を決めつけず、起きたことに目を向けると、何を問題として捉えるべきかが見えやすくなります。
これは、相手をかばうためでも、不満を小さく見せるためでもありません。自分が困った状況を、具体的に理解するための作業です。
3.「嫌だった」の中身を、仕事への影響から考える
出来事を整理したら、その結果、自分が何に困ったのかを考えてみましょう。
先ほどの例なら、次のように続けられます。
「もともと今日中に終わらせる仕事があったため、追加修正にも対応すると、予定していた時間に帰れなくなる」
ここまで整理すると、嫌だったのは単に「仕事を頼まれたこと」ではなく、「元の仕事が残っているのに、優先順位や締め切りを調整してもらえなかったこと」だと見えてきます。
■ 不満の原因を見つけるための問
不満の原因がうまく見つからないときは、次の問いを使ってみてください。
- 何の時間が削られた?
- どんな作業や責任が増えた?
- 自分で選んだり、意見を伝えたりする機会があった?
- 本当は誰に、何を手伝ってほしかった?
不満の原因が具体的になると、次に何を変えればよいのかも考えやすくなります。では、実際に何を変えてほしかったのか、もう一歩掘り下げてみましょう。
4.「何が一つ違えばよかったか」を考える
困っていたことが分かったら、次は「何が変われば、困り方が違っただろう?」と考えてみましょう。
ここで意識したいのは、相手の性格や考え方を変えようとするのではなく、具体的な行動や仕事の進め方に目を向けることです。
例えば、次のように言い換えられます。
| 愚痴・漠然とした不満 | 具体的に変えてほしいこと |
|---|---|
| もっと配慮してほしい | 急な依頼をするときは、今の作業量と締め切りを確認してほしい |
| 指示をちゃんとしてほしい | 作業を始める前に、完成イメージと判断する人を明確にしてほしい |
| いつも自分ばかり忙しい | 担当を決めるときに、それぞれの仕事量を確認してほしい |
| ちゃんと話を聞いてほしい | 結論を出す前に、こちらの状況を説明する時間を取ってほしい |
「もっと配慮してほしい」という思いは、決しておかしなものではありません。ただ、何を配慮と感じるかは、人によって異なります。
自分にとって必要な配慮を具体的にすることで、相手に相談するときも、何を求めているのか伝えやすくなります。
5.整理した不満を、次の行動につなげる
ここまで整理できたら、必要に応じて行動を考えます。
先ほどの追加修正の例なら、次のように伝えられます。
相手を責める言葉ではなく、「起きたこと」「自分が困っていること」「相談したいこと」の順に伝えています。
■ 相手に伝える以外の選択肢
ただし、不満を整理したからといって、必ず本人に伝えなければならないわけではありません。状況に応じて、次のような選択肢があります。
- まずは記録する: 同じことが繰り返されているか、事実を振り返るために残しておく
- 信頼できる人に相談する: 自分だけでは判断しづらいときに、別の視点から状況を整理する
- 仕事の進め方を相談する: 優先順位や担当範囲、締め切りなど、具体的に調整できることを話し合う
- 今は保留する:気持ちが落ち着いていないときや、伝えることで不利益を受けるおそれがあるときは、無理に伝えず、信頼できる人への相談など、別の方法を検討する
また、問題が個人の工夫だけでは変えられない場合もあります。人員不足や過大な業務量、曖昧な役割分担などが原因なら、上司個人への要望だけでは解決しないかもしれません。その場合は、誰が業務量を調整するのか、どのようなルールで仕事を割り振るのかなど、職場の仕組みそのものに目を向ける必要があります。
💡 愚痴は、自分の働き方を見つめ直すきっかけになる
仕事の愚痴をこぼしたあと、「自分の心が狭いのかな」「こんなことで不満を持つのは甘えなのかな」と、自分を責める必要はありません。
不満を感じること自体が、悪いわけではないからです。
大切なのは、その気持ちを無理に抑え込んだり、前向きに捉え直したりすることではなく、「何が嫌だったのか」「何に困っていたのか」を知ることです。
愚痴を一つずつ整理していくと、自分が大切にしたいことや、本当は変えてほしかったことが見えてくる場合があります。
そこから、今の職場で改善できることを考えたり、今の環境では難しいと気づいたりすることもあるでしょう。その気づきは、自分に合った働き方を見つめ直すきっかけにもなります。
すぐに答えを出す必要はありません。まずは自分の本音を知ることから、これからの働き方を考えてみませんか。
この記事を書いた人
EXIT JOURNAL編集部:EXIT JOURNAL
編集部です